「…んっ、」
体内に熱い欲望を受け入れて、目の前のきれいな体躯をぎゅっと抱きしめる。
わたしなんかより何倍も彼の体の方が震えていて、なんだか可哀想になって心中で苦笑。
「…っあ、リセ…」
生まれて初めて味わう女の体に、襲い来る快楽に必死で耐えるみたいに、アリババくんは唇を噛みながらわたしの手を握る。
「…男の子は、」
はじめから痛くないんだってね、って笑うと、顔を真っ赤に染めてわたしの首筋に埋めた。
「…リセは、痛くないか?」
「…大丈夫だよ、だって、」
わたしはあなたと違って、初めてなんかじゃないもの。
破瓜の痛みも、侵入を許す恐怖も、とうの昔に捨て去ってしまったのだから。
「…リセ、」
ふわり、優しい口づけがわたしに降ってくる。
「…アリババくん…?」
ちゅ、と可愛らしいリップノイズが響いて、わたしの胎内を甘く刺激する。
「…優しくする、から。」
「―――――っあ、んっ…」
ゆるゆると腰を引かれて、再び柔らかく侵入。
もどかしいくらいに、ゆっくり、ゆっくりとアリババくんは事を進めていく。
それはまるで、わたしの過去を忘れさせようとしているみたい。
「あ、ぁっ…ん、」
「リセ…」
わたしを壊れ物みたいに扱うアリババくんに、何故だか涙があふれた。
初めてじゃないくせに、初めて男性を受け入れたかのような、感覚に支配される。
「っあ、りばば、くんっ、」
「リセ…リセ…っ!」
胸がいっぱいで苦しい、だけどアリババくんが愛しくて、幸せで体が悦ぶ。
今までしたどんなセックスよりも気持ちよくて、ふわふわして、どうしようもない。
「っ…アリババ、くんっ…すきぃ…っ!」
「…っ、ああ…」
汗で額に貼り付いた前髪をかき上げる彼のしぐさに、体の奥が疼いてきゅんと膣内が締まるのがわかった。
「っ、おいリセっ…」
「ひあっ、」
片足を持ち上げられて、先刻より少し乱暴に、だけどもなお優しく突き上げられる。
彼から与えられる快感に体が震えて、子宮が彼の遺伝子を求めて疼く。
「あ、ぁっ、や、だめぇっ…!」
「リセっ…やべぇ、出るっ…!」
どくん、と中のソレが脈打って、熱いものが注がれる。
「あ、っ…んぅ、」
心と体の両方で彼を受け入れた幸せに、胸の奥がじわりと満たされていくのを感じた。
そして処女に還る
(わたしの本当の、ロストバージンのおはなし)
Title by:花畑心中