「…っ、…ふ、…っ」
「声出せば?その方が楽でしょ」
「…っん、ん…」

ぱさり、と黒髪が濃いブルーのシーツに散る。
緩慢に、でもはっきりと横に振られた首にも汗で貼り付く。

半ば無理やり押し倒した相手は頑なに口をつぐんで声をこらえる。
あぁ、唇を噛むから痛々しいほどに紅く腫れ上がってる―――快楽によるのもあるかもしれないけど。

好きだよ、愛してるよ、だなんて甘ったるいだけの言葉なんて言ってやらない。
そんな薄っぺらい言葉を吐き出すくらいなら、唇を合わせ舌を這わせ、隅々まで蹂躙してやる。

それこそ声まで奪うように、呼吸する暇さえ与えず。

欲しいのは、目の前の人間だ。彼の全てが欲しい。
息も、熱も、心音も、声も、すがる爪の立てる痛みも、意識も、なにもかも。

全部さらけ出させて、全部見たい、触りたい、食らいつくしてやりたい。


なのに彼は全部を隠そうとするから。
俺に従ってしまえば楽になれるのに、いつもぎりぎりまで反抗するから。


だから、今日も、






---------------<キリトリ>-----

サルベージその3。

thx 獣



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テーマ「人外ファンタジー」
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