あ、と思ったときには体のいちばん奥に濡れた感覚を得た。
自分で触ることはもちろん、他人の熱など感じないはずのそこが無意識に震え収縮し、だめだ、と思考がまともに形をとる前に自分に熱を与える相手がにぃ、と笑った。
「…どこでそんな誘い方覚えたの」
「さ、っちが…!」
「ふ、上等、だねぇ」
弾けた熱がまた頭をもたげて、体内で形を変える雄に体の震えが増した。
「んなに、欲しがらなくてもちゃんとくれてやるよ?」
「ぃ、や…ちがう、ほしくなんて…」
「うそつき」
耳朶に触れた湿り気を帯びた呼気に脳が揺れ、次いで揺さぶられ始めた体をもて余して、思考も感情も投げやった。
---------------<キリトリ>-----
もうどうにでもなればいい。