目が合う。絡んだ視線を剥がせなくてただじっと見つめると、ふと目を細められ、同時に自分の顔が熱くなる。

すでに触れあわせた指先にきゅ、と力を入れられ、無言の圧力のように感じてしまって眉を下げると、さらに楽しそうな光が瞳に宿る。

少しだけ口角の上がった唇はそのままに、いたずらめいた瞳は閉じられた。
そして繋いだ指が、少しだけ引っ張られる。

無言の催促。断れないおねだり。

おそるおそる近づいたら、ますます唇がつり上がる。楽しそうに歪む薄いそれ、閉じられた強い瞳、熱を伝える指先、吐息を感じられるほどに近づいた距離。

掌で踊らされてるのが少し悔しいから、触れあわせただけでなく、離れる直前にちらりと舐めれば。

「―――よくできました」

持ち上がる瞼、愉悦の滲む瞳、ますますつり上がる唇、囁く艶混じりの声。

「さぁ、続きは…?」


あぁ、誘惑からは、逃れられない。



---------------<キリトリ>-----

がんばってみたけど、敵う相手じゃなかったという…。



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