彼は赤色が好きだったらしい。

それは私の憶測なのだけど。
洋服箪笥の一番奥に綺麗に畳まれてた赤いシャツ。
彼は白地の赤だけが見えないはずなのに、それはシワひとつないぐらい綺麗に畳まれて箪笥の奥に仕舞われていた。

普段着ている分には見えない色じゃあないのだから着ればいいのに。
何にしろ着ないシャツなら捨ててしまえばいい。思い出と一緒に。
余程思い出が詰まっているのだろう。
私はゴドーの鮮やかな青色のシャツを赤の上に重ねて引き出しを閉めた。








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