あ、嫌だ。
そう思ってしまってからまともにイルミの目を見れずに俯く癖がついてしまった。
真っ黒で大きな瞳は私がどう映っているのかはっきりと分かる。
「地面には俺よりいいものがあるの?」
「…、」
あるわけないじゃない。ただ、私が不細工だからよ。こんな顔を何度も何度も見せてしまったら貴方に嫌われてしまうからよ。とは答えなかった。
そんなことを言うほどバカバカしい事もない。
不細工、不細工、ぶさいく、ぶす、ぶす、ブス。
ああ、でも地面には、私の方へ真っ直ぐ向いた貴方のつま先がある。
すう、と喉元を冷たい指先が滑って顎を持ち上げる。真っ黒な瞳に私が映る。やっぱり、私って、不細工。
不細工な私が、貴方の真っ黒で綺麗な瞳の中歪んだ笑みを浮かべてる。
不細工、ぶさいく、ブサイク、ブス、ぶす、附子…可愛くなるにはどうしたらいいの?
ぎゅう、と両頬が抓まれた。
「あはは、可愛い」
「ひひょい」
その瞬間だけ、イルミに映る私が可愛く思えた。