占いは当たらないもの。
けれども縋って信じてしまう。
「滑稽よね」
朝の五時五十五分。一分にも満たない短い運勢占い。毎週月曜日から金曜日欠かさず見ては順位に一喜一憂して、ラッキーカラーを身につけて家をでる。
その日良い事があれば占いのお陰。悪い事があれば占い何て所詮そんなもん。
当たっても当たらなくてもいい。だけど必ず頼る。頼ってしまう。
「今日のマニキュアもそうなのよ」
ラッキーカラーだからかしら、いつもより綺麗に塗れた気がするの。
見逃せない。見逃さない。
今日の恋愛運。
「白…、それって六時ちょっと前にやる朝の占い?僕も見てるよ」
欠かさずね。
それは奇遇ね。
毎朝莫迦莫迦しいと思いながらラッキーカラーを探していたけど、なんだか少し報われた気がするわ。
今日は恋愛運だって一位だったのだから当然かしら。ますます依存しちゃいそう。
「恋愛運が一位だったら君が逢いにきてくれるからね」
「営業トークが上手だわ」
当たってるから尚の事傷つく。
仕事終わりでくたくたのはずなのに一秒でも早くとピンヒールで走って苦も無く何時間待ちの長蛇の列に並んで。
「今日の晩御飯はどうすればいいかしら。」
くだらないことを聞くの。
「僕の家でディナーなんてどうだろう」
「ふふ、本当に営業トークが上手だわ」
少しでも夢をみようと縋ってしまう。