珍しい事もあるものだ。
サニーが日向でお昼寝をしている。
余程気持ちが良いのか熟睡していて起きる気配はない。
起こさないように、そ、と私も横になって頬を寄せる。陽光をたっぷりと浴びた髪は暖かくて、ほんのりとシャンプーの香りがした。

ふ、と目が覚めた。うっかり寝てしまったようで、日の光りで明るかった室内は真っ暗になっていた。
隣にサニーはいない。
時計を見ると夜の7時すぎ。
サニーは明日仕事だと言っていたからもう帰ったのだろう。すこし寂しいけど、かけられたブランケットが愛しいから平気。

さて、晩御飯はどうしようか、そう考えているとがちゃり、と玄関の鍵が回る音がした。厚い扉が開く音。

「今頃起きたか」

呆れたように言いながらサニーが部屋の電気を点けた。

「晩飯、テイクアウトしてきた。」
「…帰らなくていいの、」
「良わけねーし」

ああ、もう、私なんかそのままにしておいてくれれば良かったのに。迷惑かけたくないのに。

「今から帰ると着くの深夜になるね」
「帰んねーよ」
「え?」
「明日の朝始発で帰りゃ間に合うんじゃネ?」
多分。

迷惑かけたくないのに、どうしよう、酷く嬉しくて、ごめんねって言えない。









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