ハニープリズンへ面会に行けば「来るな」「帰れ」「うるせえ」と門前払いだったくせに。

「うん、じゃあ後で。」

ニュースで大体的に取り上げられてたから出所したのは知っていた。でも、その件に関しても実姉に挨拶どころか連絡も寄越さなかった上に、いきなり家に押しかけてきてサニーとの電話に割って入ってくるのはちょっとわがまますぎない?
しかもわざわざ隣の部屋から音弾飛ばして邪魔してくるって本当にもう!

「構ってほしいならそう言いなさい!」
「チョーシに乗ってんじゃねえぞ君!」
「お姉様とお呼び!」

爪先立ちしながら両腕を目一杯伸ばして、ゼブラの両耳を引っ張った。

「何すんだ!」

私にとってはちっとも怖くない弟は、こうして凄目ば誰もが縮こまるなんてすこし不思議。

「飯作れ」
「電話盗聴してたんなら知ってるはずだけど、今からサニーとディナーなの」
だから無理。

ゼブラから離れてクローゼットを開ける。お迎えは二時間後。着替えてお化粧するには十分。…ゼブラが邪魔しなければの話だけど。

案の定、ばたん、とクローゼットを閉められる。「ご飯ならさっき作ったでしょ!」
「あれっぽっちで足りるわけねえだろ」

ゼブラが満足するまで作っていたら確実に間に合わない。けど、私より力の強いゼブラがこうしてクローゼットを押さえつけたままだと支度ができない。

深いため息をついて、携帯をとる。そしてリダイアル。
数秒で電話は繋がった。

「もしもし、サニー?ごめんね、今日のディナーなんだけど、」
ゼブラも一緒でいい?

そう聞くとものすごく不満そうな返事が返ってきた。それでもこのままじゃあ支度ができないからディナーは中止なのを伝えるとしぶしぶ了承してくれた。

通話を切ってゼブラの方を見ると、こっちも不満そう。
こちらも譲歩したのだから、貴方もいい加減にしてね。と言う意味でにっこり笑うと表情は相変わらずのままだけどクローゼットから手が離れた。

さて、二時間後に迎えがくる前に着替えてお化粧して、ゼブラに正装させなくちゃ。









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