非道だと言われている集団の幹部である彼は「平気か」と私を気遣った。それが嬉しくて「何が」と返す。

「肩の火傷だ」
「もう包帯は取れたわ」

私には一口だって飲めないアルコール度数の高いお酒を彼は平然と飲む。私はいつまでたってもジュースみたいな甘いカクテル。

体が火照ると肩の火傷がじくじく痛むけど、それでもアルコールを少しずつ摂取する。

あの日、スターはご機嫌斜めで私はそれをいつも通り一歩下がったところで他人事のように眺めていた。そしたら部下への制裁のために炎のように熱くなった手が私の肩に当たって衣服は燃え上がり肌は爛れて消えない傷ができた。
別に私は気にしていなかった。どうせ生涯スターと添い遂げるからとかそう言う理由ではなくて、単純に問題無いと思った。
どうせ誰とも添い遂げることはないのだから。

数日間、包帯を巻いて過ごした。火傷が、包帯越しの微かな熱にもひりひりと反応するのが鬱陶しい。

「ごちそうさま」

甘いカクテルみたいな関係はここじゃあ禁止。優しくされただけでも儲け物だわ。それで我慢しなきゃ。









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