君も占いができるの?

いいえできないわ、と君は電話の向こうで言った。

「じゃあどうして、」
僕が声をききたいと思うと電話をくれるの。

そう聞くと少し冷たく、知らないわ。と一蹴される。された後、私は私が貴方と話したいから電話をするだけだもの、そう甘い言葉が続いて、周りに誰もいないし誰からも見えやしないのに嬉しさが顔に表れないように唇を噛み締めた。

僕が沈黙してしまったから、さらに君は甘い言葉を、だから声を聞かせて、と囁くから観念して口を開く。

「君は僕を幸せにするのが上手すぎる」

口を開けばほら、だらし無く口元が緩んでしまう。凛々しい君に似合う僕でいたいのに。
そんな僕の思いは伝わらずさらに、当たり前じゃないそれだけ愛しているのだから。と電波は伝える。

それじゃあ、僕は、君をここまで幸せにできているだろうか。あまりに格好悪い台詞だから心に留めておいたはずなのに声に出てしまっていたのだろうか君の甘い甘い言葉が、それだけの幸せをもらってるのよ。とそう続く。

ああ、やっぱり君は。

「占いができるんだろう」止めてくれ、いい加減にしてくれ、僕は甘いのが苦手なんだ。
さあ、その言葉の種明かしをしてくれ。








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