学ぶ事は楽しい。
この学校では普通の勉強だけじゃなく、社会に出た時に役立つような人間関係などについても学ぶ事ができる。
本当に素晴らしい学校だ。

風紀を取り締まる風紀委員会。その副委員長は、鳴いてる生徒も瞬時に黙るくらいに厳しい。
そんな彼には通称があり、「風紀の夜叉」と呼ばれていたりする。その鋭い目付きと、校則違反者に対する容赦ない対応から、そんなあだ名がつけられたんだろう。厨二臭いのは、以前処罰を受けた生徒の恨みも込められているからだ。

だけど、実は副委員長にはもう一つのあだ名があった。
それは、「フォローの達人」。
委員長をさりげなく、且つ的確にフォローしている姿から、いつしかそんなふうに呼ばれるようになっていた。
そのフォローっぷりは、絶対に役に立つに違いない。
僕は、そんな副委員長から直接教えを請うために、風紀委員になったのだった。


「はいはーい、逮捕しまーす」
「ゆ、許してください!」
「ほんの出来心なんです!」

匿名のたれ込みにより、体育館倉庫に駆けつけると、小柄な生徒が三人の生徒に襲われているところだった。
日頃ぽやんとしている委員長が、反撃してきた生徒達を脚だけでいなし、転がしてしまった。
そんな時の委員長は格好よくて、男として凄く憧れる。現に周りの風紀委員達も、惚れ惚れとしながら委員長を見ていた。

「駄目だよ。お前らゲイじゃないよね。いくら可愛いからってね、この子にもチンコついてんだよ。わかる? お前らと同じモンくっついてんの。それよりね、柔らかいおっぱいに身も心も埋めてごらん。天にも昇る気分でまさに昇天しちゃうからね。ホラ、早くその短小チンコしまって。ああ、泣くなよ。小さくて短くて早い三重苦でも大丈夫だから。なんなら昇天フルコースにご案内しちゃうけど?」
「委員長! こいつらの更正は、後で! お願いします!」

脱線しかけた委員長をすかさずスタッカートぎみに副委員長が止めに入る。
風紀+被害者の前で、短小早漏呼ばわりされた三人組は、既に瀕死の状態だった。精神的に。

そう、委員長は女性の事となると、熱弁を振るってしまうくらいに無類の女好きだったのだ。
その事は学校中の生徒達が知っている。見た目は格好良い委員長だから、好きになった男子生徒達は泣く泣く諦めるか、ひっそりと影から見ているしかない。

だけどある日、そんな委員長に変化が訪れたのだ。

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[mokuji]

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