4嬉しさの余り、足をぶつけて立ち上がりながら、俺はミノルくんに抱きつこうとした。けど、素早く手のひらで顔面を押さえられる。
仕方なく、ミノルくんと距離を取って向き合った。
「でも、どうしてそれを俺に話してくれたの?」
「飛鷹はちゃんと俺の前でけじめをつけただろ。だから、俺もけじめをつけようと思ったんだ。会長にも、俺の気持ちをちゃんと伝えた」
「ミノルくん……」
何だか、暗雲に覆われていた視界が急に開けてきた。こんなに世界って、輝いていたんだな。
不思議な事に、身も心も軽くなったような気がする。
ミノルくんを泣かせた篤志は許せないけど、泣くくらい好きだったなら、好きな人と一緒にいた方が幸せなんじゃないかって考えたりもした。
けど、ミノルくんと幸せになるのは絶対に俺がいいって思ってたし。
「何だかんだ言ってても、不安だったんだ。情けない事に」
そう言ったら、ミノルくんは小さく笑った。
これからは、心置きなくミノルくんを攻めて行こう。あのアンポンタン篤志になんかに、絶対にミノルくんを渡さない。
俺がそう心に誓っていると、ミノルくんが目を細めた。
何だかその視線、ますますエロいんですけどね!
「飛鷹の優しい所は好きだな」
「! ミノルくん!!」
視線だけじゃなく、そんなにエロい口で何て事を言うんだ!
思わずミノルくんに抱きつこうとしたら、風紀室のドアが思いっきり開いて、副委員長達が戻ってきた。
「委員長! ただ今戻りましたけども!!」
「わっ、副委員長」
俺が驚いたその隙に、ちゃんと仕事しろよって言いながら、片手を振ってミノルくんが去ろうとする。
そんなミノルくんの後ろ姿に向かって、俺は言った。
「ミノルくんと幸せになるのは、絶対に俺だからね!」
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