「みのりが、本当に一人だけを想うようになったらわかるよ」
「琉生君はわかるの? 僕より好きな人がいるの?」
「みのりは幼なじみとして大好きだし大切だよ。でも、人を好きになるってのはそれだけじゃないんだ。もっとドロドロしてたり、胸が痛くなったりどうしようもない想いが溢れてくる事だってある。その人を抱き締めて幸せにしてあげたいし、でも自分だけのものにしたいって思ったりするんだよ」

琉生君までそんな事を言うなんて……。
僕はまた一人で残されるんだ。
年下だから? 二人よりも頭が悪いから? だから取り残されるの?
僕はまた一人ぼっち?

「わかんないよ、僕……」
「みのり、みのりだってすぐにわかるよ。心から愛しいって思える人に必ず会えるから」
「……本当に?」
「本当だよ。それに、篤志も俺もいきなり見捨てたりしないから大丈夫」
「本当?」

琉生君は力強く頷いてくれた。
嘘を付いたのを怒っていたのに、琉生君は間違っていた僕を諭してくれた。
そんな琉生君がそう言ってくれるなら、本当に大丈夫だって思える。

いつか、僕にも大切な人ができるのかな。
琉生君達と一緒に、大切な人の話ができるようになるのかな。

「みのりに好きな子ができたら、真っ先に俺達に紹介しろよ。いい子かどうか見極めるからな」
「琉生君ありがとう……」

僕が笑うと、琉生君も笑ってくれた。

「篤志君に謝らなきゃ……」
「えー? ほっとけば?」
「遠山先輩にも謝る。でも、遠山先輩に会いたいって篤志君には言いにくくて……」
「うんそうだね、絶対に篤志なんかにはミノルくんの事は話さない方がいいから、うん」
「琉生君?」
「みのりが謝りたいって、俺からミノルくんに話しておく! 取り敢えず、それからね」
「う、うん」

琉生君の慌てぶりが凄い。
そんなに遠山先輩を怒らせちゃったのかな……。

生徒会で仲が良かったって言う二人を喧嘩させちゃったから、嫌われるのも当然だよね。
胸が痛くなって涙が出そうになったけど、僕は必死に我慢した。

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