26一旦意識してしまうと、後はもうなし崩しのように感じてしまう。力の入らなくなったところを抱えられて、二階の寝室まで運ばれてしまった。
今日はまだ日があるせいか、上着を脱いで晒された奈波さんの上半身が目に飛び込んできた。しっかりとした筋肉に覆われた引き締まった体に対して、鍛えても一向に太くならない自分の貧相な体が泣けてくる。
けれど、胸の真ん中の紫色に変色した鬱血が痛々しく俺の目を引いた。
視線に気付いた奈波さんが苦笑いする。
「普通の防弾チョッキだったら、ひびくらいは入ってたかもな。狙撃されて俺の専属病院に駆け込んだら、お前がその男に襲われてるんだから驚いたぜ」
「専属病院って、ここは薬局だって」
最初に奈波さんをここに連れてきたのが、そもそもの間違いだったのかも。たとえ肋骨にひびが入ってたとしても、うちに来てそうだな。
奈波さんが、その痕に黙って触らせるままにしてたから、ついでに乳首にも触ってみたけど、ちっとも反応がなかった。
にやりと笑って、両指の腹で転がされて反撃される。
緩急つけた愛撫に瞬く間に翻弄されしまった。
「ぁっ…んんっ…」
「敏感でエロい体は好きだな。これからはどんどん俺好みの体にしてやるからな」
甘い囁きに、ぞくりと俺の体が震えた。
あの長い指で、全身をくまなく撫でるように愛撫されて、俺の体はとろけてしまいそうにぐにゃりとしてしまった。
だから、足を開かれた時も恥ずかしいとは思ったけど、それほど抵抗はしなかった。今にも弾けそうなそこを解放してくれるのかとばかり思ってたんだけど。
「あぁぁっ…ちょっ、いい加減にやめ…ぁっ、あぁっ」
破裂しそうな所を根元からしっかり握られて、さっきから散々穴を解されている。
緩い波がざわざわと訪れるけど、全然足りない。もっと強い刺激で解放されたくて、苦しかった。
そんな俺に追い討ちをかけるように、前を握りこまれたまま、その先端を指の腹で刺激してくる。
「ひあぁっ、ゃっ…あっあぁぁぁっ」
びくんと仰け反って、引っきりなしに口からは声が溢れて、恥を忍んで解放を訴えても、受け入れてはくれなかった。
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