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あいつを探している奴らがいる。
そいつらにとって、俺は重要参考人になるのか。大した情報も持っていないし、むしろこっちが奏斗の情報が欲しいくらいなのに。

でも、うだうだ考えたって仕方がない。体を動かして、腐りそうな頭をスッキリさせないと。
夜になれば朝比奈さんが来る、きっと幸太もついて来るだろうから、腹の足しになるものでも作って気分転換しよう。

そう思い立ち、つけっ放しにしていたテレビを消そうとしたその時、銃撃、殺人未遂と言う物騒なフレーズが聞こえてきた。
場所も近くだったこともあり、俺はそのままテレビ画面に釘付けになった。

『……犯行グループに撃たれたれた男性は重症です……』
『……発砲した犯人は、逃走中に警察官に撃たれ……』

嫌な予感がして胸が騒つき始める。
奏斗は関わっているのだろうか、それとも……。

さっき目にした拳銃がリアルに甦ってきた。
質感も重さもはっきり憶えている。
この辺りで発砲事件があった日に、奈波さんは怪我をして隠れるように公園にいた。
彼は、本当に何者だったのだろう。
奈波さんのことは何も知らない。俺は知ろうとはしなかった。

「病院だ」

病院に運び込まれたのが誰なのか、確かめに行かないと。
そう思った俺の体はすでに動きだしていた。

掴んだジャケットを羽織って勢いよく玄関を開ける。
しかし、目の前に大きなシルエットが立ちはだかり、俺は前へと進めなくなった。

「そんなに急いで、どこに行くつもりかな?」

相手を認識した途端、突き飛ばされて玄関に転がされた。
ドアが閉められて、かちりと鍵を施錠する音が響く。

「お前、どのつら下げて帰ってきやがった」
「もちろん、尋貴に会いに来たんだよ」

睨み上げる俺を、奏斗は穏やかな微笑みを浮かべて見下ろしていた。

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