13目元に口付けられ、ちゅっと吸われて、初めて自分が泣いているのに気付いた。
女じゃないから、そんな事されるのは嫌なのに、優しくされて涙が次々にこぼれるのを止められなくなった。
「お前は悪くない。事故で亡くなったのは、お前のせいじゃないだろ」
溢れる涙を吸い取って、指でそっと拭われる。
やめて欲しい。
そんなふうに優しくされたら、ぐずぐずになる。
せっかく強くなれたと思っていたのに。
優しくして、それが陥落させる手だろうと思っていても、その手に身を委ねてしまいたくなった。
「怯えてガチガチになるくらいなのに、男に抱かれて自分を傷つけてたのか?」
「……違う。俺だって充分楽しんでたんだから」
「そうか。なら、これからは俺が楽しませてやる。何かあったらすぐに言え。俺は拒まないからな」
「何であんたなんか…っあ、ああぁ……っ」
急に中の指を動かされて、声が漏れた。
けれど、すぐにもどかしい愛撫に変わり、俺を苛む。
「あっ、あ…っ、もっと……っ」
「何だ?」
「んっ、もっと酷く、」
「それは断る。俺はお前を傷つけたくないからな」
真っ直ぐな瞳にぶつかって、文句を言おうとした口が止まった。
呆然としている間に、ずるりと指が引き抜かれて、代わりに熱くて硬いものが押し当てられる。
「あっ…だめだっ」
足を抱えられて、柔らかく解されていたそこに、ズブズブと奈波さんのものが入ってきた。
「ぅ、っあぁ……っ」
燃えそうに熱くて、引きつれる程に大きなものに、苦しくて息が止まりそうになった。
「っ、息を止めるな」
「むりっ、あ、あ、あぁっ」
「お前、慣れてないのか」
驚いた声がするが、そんな事に構ってられない。
熱く脈打つものが入ってきて、そこからメリメリ音をたてて、真っ二つに割られそうだ。
奈波さん手が、俺の性器に触れて扱き始めた。
その快感に縋り、忘れていた呼吸を繰り返す。
力が抜けたタイミングで、奈波さんは腰を進めた。
「あぁぁ……っ」
全て収めた所で、奈波さんの動きが止まる。
みっちりと埋め込まれて、俺は足りなかったものが満たされたような、不思議な充足感を味わった。
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