愛しているから離れるな、絶対に離さない。
おまえをせっかく手に入れたのに。

今でも思い出してしまう、ぞっとするような台詞だった。
俺の奏斗に対する思いは、親類の情でしかない。しかし、あいつの俺への思いは、肉欲を伴うものだった。

すぐさま寝室へと閉じ込められた俺は、拘束されて着ているものをズタズタに引き裂かれた。
信頼していた相手からの裏切りの行為に、俺のショックも相当なものだった。
愛してると囁かれながら、身体中を舐め回され、手を這わされる。泣いても叫んでも許してはもらえず、ただ奴は自分の欲望を押し付け、俺に最高の脅し文句を送った。

「姉をお前の身代わりにされたくなかったら、僕のそばから離れるな」

それから救出されるまでの三日間は、長く耐え難い地獄のような時間だった。
愛していると言いながら、あいつは俺を突き落として苦しめたんだ。

遮光された暗闇の中、俺だけが明かりに照らされ、ねっとりとした視線で隅々まで見られる。
逆光で奴の表情は見えなかったけれど、その視線だけで犯されている気分になつった。

性器を嬲り、射精をコントロールされ、男の乳首も性感帯だと教えられた。
自由を奪われ、好き勝手に弄られ、俺は絶望と苦痛に堪えられず、そこから逃避したいがために、与えられる快楽に溺れていった。
後ろも徐々に拡げ慣らされ、爪の先でも辛かったそこは、太いディルドを銜え込み、はしたなく乱れさせらた。

そしていよいよ奴の欲望が達せられようとした時、突然窓ガラスが割られ、俺は大学の友人とその仲間に助け出された。
眩しい日の光を浴びて、やっと地獄から抜け出せたと思った。

けれどあいつはまだどこかで生きながら、俺を見つめ続けている。
たった三日間で、俺の体は作り替えられてしまった。
あいつの視線がなくなるまで、俺は自由にはなれない。

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