「ん…っ、あっ、あぁっ」
「こうされるのがいいんだろ?」
「あっ、ちが……っ」

後から兄がのしかかっていた。
中を突き上げられながら、胸も弄られる。
動物みたいな行為。
それなのに、触られもしていない前からは、とめどなく雫がこぼれ落ちていた。

兄は俺を抱く。
壊れるほどに何度も何度も。
実際に俺を壊したいのだろう。兄は俺を疎ましく思っているはずだから。

「あっあっ、やぁっ、あっんん」
「っ……、嫌だなんて嘘だな。こんなに漏らしてるんだから」

声が抑えられない。
強く打ち付けられ、逃げる腰をしっかりと掴まれた。
引き寄せられて深くなった挿入に、目の前で火花が散った。

「ひぁ…っ、あぅぅっ、あっあぁっ」

深々と突き刺してくるものを締め付けてしまい、兄が息を止める。
脈打ちながら中に注がれた。奥へ奥へと注ぎ込むように、尚も腰を打ち付けられる。
それを喜ぶように、俺も絶頂を迎えた。

「ぅあ……あぁっ」

体を返されて、今度は仰向けの体勢にされる。
顔を隠そうとする腕は、いつもシーツの上に押さえつけられた。
ぐちゃぐちゃになった俺の顔を晒すと、心までぐちゃぐちゃになってしまいそうになる。

「あぁ…っ、……んあっあっ、もう、むり……」
「締め付けて離さないのは誰だ?」

俺は兄に抱かれている。
父さんの事も、血が繋がっていなくても可愛がってくれる母さんの事も、俺は裏切っていた。
けれど、それに対して罪悪感はない。
父さんは兄を大切にしようとするし、母さんは兄を傷付けているから。

「あっ、あぁぁっ、兄さん……っ」

縋り付いた胸元には小さな赤いしるし。
執着を見せながら、兄はいつも俺を突き放した。
俺が付けたものではないこの跡を平気で俺に見せ付ける。
それなのに、俺は兄から離れられない。

[ 1/5 ]


[mokuji]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -