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そこを指で掻き回すと、甘い悲鳴を上げた。

「ひっ、あっあ…っ、んあぁっ」
「やっぱりお前もそうだった。すぐ誰にでも体を開くようになるさ」
「あっ、いやだっ、兄さんだけ、兄さんが、いいっ」

甘ったるく必死に俺を呼ぶ。その体が震えていた。
思わず離れると、不安げな表情を浮かべる。

「んっ、兄、さんっ」
「そんなに欲しいならくれてやる」

足を広げ、淫らなポーズを取らせる。折れそうなほど細い腰を掴み、体を繋げた。

「うぁぁぁ、あぁ…っ、んっああっ」
「ほら、入ってくのがわかるだろう」
「あ、ふっ、あぁ…、やぁ…っ」

ゆっくりと沈めていく。締め付けながら、絡み付いてくる。
絶え絶えな呼吸をする表情は艶めいていた。
仕込んでおいた薬が、まだ効いているようだった。

「ここに銜え込んでこんなに悦んでる。本当に初めてなのか?」
「あぁぁっ、んん…っ、イヤぁっ、ぁっ」

腰を動かして乱暴に性感帯を攻め立てる。
かつて無垢だった体。今は蹂躙されながら、全身を淡く染めていた。
何も知らなかった体をこの手で貶めている。そう考えるだけで、俺は昂ぶっていた。

「あっ、んあぁっ、あ…っあぁぁっ」
「は……、厭らしいな、お前」
「兄さん、ぁ…っ、あぁぁ、んっあっあっ」

華奢な体が跳ねる程に、何度も何度も深く腰を打ち付けた。
弟が兄から蹂躙されていると知ったなら、母親はどうするだろう。
ほくそ笑む俺に縋り付く細い腕。その体を淫らに割いて汚した俺を弟は求めていた。

「あ、ぁぁっ兄さん…っ」
「っ……、ほら、イケよ」

今にも弾けそうな性器を握り込む。白い体が仰け反った。

「はぅっ、ひっぁぁっ!…ン…ぁぁぁ──っ」

絶頂を迎えて、中が激しく収縮する。二人で全てを吐き出した。
体を震わせている弟の中に、俺が吐き出したものを受け止めさせた。

「ぁ、ぁっ、はぁ…っ、…兄さん…っ、」


涙に濡れた瞳は、こんなになっても変わらずに俺を見ていた。
伸ばされた手を握ったら、その唇は俺の名を刻む。
握った手を離す事は出来なかった。

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[mokuji]

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