「ん…っ、あぁっ」

甘ったるい声を上げていた。
兄の部屋。ベッドの上で、二人とも裸だった。
兄の手が、俺の身体中を撫で回している。
さっきまでとは全然違う。気持ちがよくて、もしかしたらとろけてしまうのかもしれない。

けれど、どうしてこうなってしまったのだろう。

「兄、さん……っ」
「お前が誘ったんだ」
「え……?」
「俺を誘ったように、あいつも誘ったのか?」
「違う……してない」
「そうか? お前は淫乱だからな」

あの人にも言われた。俺は本当に淫乱なのかもしれない。
触られて、凄く気持ちがいいし、声だって止まらない。
綺麗なこの指で触ってもらうのが好きだったから、俺は無意識に兄を求めて、誘っていたのだろう。

「ここも、食い付いてくる。貪欲に欲しいって言ってるな」
「んんっ、あっあぁぁっ!!」

ずっと弄られていたそこに、指が一度にたくさん入ってきた。
痛いけれど、体は悦んでいる。

身悶える俺を兄が見ていた。あの時よりも、ずっと熱の籠もった瞳で。

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