4「はぁ…っ、んッぁ…あぁ…っ」
従順な秘書は、俺に対していつでもどこでも簡単に体を開く。そう躾けた。
俺は女は抱かない。
柔らかい乳房に高い声。母親と同じ種類なんだと思うと、吐き気がするからだ。
反対に、男を征服する事に無上の喜びを覚えた。
どんなに取り澄ましてみせても、快楽には呆気なく陥落する。そうやって転落していく様を間近で眺めるのだ。
「んんッ、あぁぁっ!」
馴らした体は、簡単に気持ちよさそうな声を上げる。いつもは煩いだけだったが、今日は特別にもっと声を上げさせてやる。
部屋の隅に隠れている、かわいい弟のために。
今頃お前はどうしてる? 体を震わせているだろうか。嫌悪感と驚きで。
兄が男同士で体を繋げているんだ。無理もない。
パーティションの隙間に向かって、俺は微笑んだ。
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