久洋が葉月の腕を頭上で纏め、千尋が馬乗りになって動きを封じていた。
千尋の手が葉月のむき出しにされた肌の上を滑る。薄く筋肉がつき、引き締まった体をなぞるように手が動いていく。

「っ……、何のつもりだ?」
「別に、ただの暇潰し。鳥肌たてて、可哀想に」
「離せっ!」
「ホラ、怪我してるんだから暴れない。久洋、しっかり腕を押さえてろよ」

千尋に命令された久洋は、黙ったまま一つ頷く。
千尋の頭が沈み、葉月の胸元をぬるりと舌が舐めあげる。その感触に葉月が体を震わせると、からかうような笑い声を立てた。

「もしかして、あんま慣れてない?」

そう言った千尋の唇が、葉月の耳朶に触れて熱い吐息を送り込む。

「っ……」

軽く仰け反った葉月を難なく押さえ、千尋は執拗に耳朶に唇を這わせた。
口に含んで甘噛みし、舌で転す。葉月がそれを払うように何度も首を振ると、耳朶からはなれた千尋の舌が、首筋をたどって下りていった。

「んん…っ」

的確に追い上げようとする行為に、葉月は声を堪えて唇を噛み締めた。
そんな葉月を久洋がじっと見下ろしている。

音を立てながら吸い付いていた首筋に、千尋がゆっくりと歯を立てると、耐えきれなくなった葉月が高い声を出す。
羞恥に染まる葉月に気を良くした千尋が、片手で胸元をなぶり始めた。何もない平らな場所を無理やり摘み刺激する。

「あ…っ、やめろっ」

首筋も千尋の舌が何度も肌をなぞって濡らしていく。その感触に、葉月の体は震えた。
弄られ摘まれた胸の先が赤くなり始める。そこに爪を立てられ、葉月は再び仰け反った。

「いっ、あぁっ、あっ……んんっ!!」

それまで、黙ったままだった久洋が突然覆い被さり、葉月の唇を塞いだ。咥内に舌を入れて、葉月の舌に絡ませてくる。
いきなり口を塞がれた葉月は目を見開き、息苦しさで胸を大きく上下させた。

千尋は片手で葉月の胸の先端を摘んだまま、反対側は口に含む。舌や歯で愛撫しているうちに、硬くなった尖りを舌で転がした。

「ふっ、ん…っ、ぁっ、んんっ」

感じ過ぎたのか、葉月はびくびくと痙攣するように乱れていた。
だが、葉月の呼吸が過ぎる程に速まっている。
顔を上げた千尋が久洋を見ると、未だに葉月の唇を貪っていた。

「久洋しつこい。気に入ったのはわかるけど、気絶させる気か?」

千尋に言われ、久洋が葉月から唇を離す。
ぐったりした葉月が口を開けて呼吸を繰り返していると、障子戸が静かに開いた。

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