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ぎゅっと先端を抉られるたびに先走りがあふれる。グショグショに濡らしていく冷たい感触にも、ぶるりと震えた。

「ゃっ…もっ、やだ…っあぁぁ、ぁっ、ぁぅっ」

もう、勝手に流れる涙と閉じられなくなった口から零れた唾液でぐちゃぐちゃだ。
そんな俺の顔を覗き込みながら、奈波さんは嬉しそうにしている。

「ばかっ、うぅっ、やあっ…んぁっ、ぁ、あぁっ」
「ぐちゃぐちゃになって可愛いな。そろそろ俺も限界だ」

刺激を求めてひくつくそこに、猛ったものをあてがわれる。
すぐには入れられず、ぬるぬると入り口を行き来する。このパターンは止めてほしい。けれど、堪らなく欲しくなってしまう。

「欲しいんだろ?」
「んっ、ほしい…」
「どこに、何が欲しいんだ?」
「んんっぁっ…ここに、ななにいのっ…ほし…っ」

いつの間にか思い出した昔の呼び名で呼んだら、奈波さんはびくっと反応して、散々勿体ぶっていたものをズブズブと容赦なく挿入してきた。
たっぷり溶かされていたそこは、待ち望んでいた大きな塊を呑み込んでいく。

「チッ、いきそうになっちまった」
「ああっ…うごいて……」

腰を掴まれてストロークが始まった。いきなり激しく突かれて、壊れたみたいに声が出てしまう。

「っああ、んぁっ、あっ、あっ、あぁ…っ」

弱い所を擦られて、身を捩るほどに感じてしまった俺は、目の前のしっかりした体に縋りついた。
そのせいで腰の位置がズレて、いい所を激しく突かれてしまい、全身が発火しそうになる。

「あぁぁっ! ぁっ、いっぁぁ! もっ、あぁぁぁっ」

はち切れそうだったものを長い指で擦られて、あっという間に上り詰めてしまった。
腹の上に、二人分の生暖かい白濁が注がれる。

「ふ、ぁぁ…んっ。……あっ、もっ、離して」

まだ息が整わないのに、奈波さんの不埒な手が伸びてきた。
この手に捕まってしまったら最後、それから意識が途切れるまで何度もいかされてしまった。


◇◇◇


俺が指一本動かせなくなっている隙に、奈波さんはちゃっかり荷物を運び込んでしまっていた。

「許可した覚えはないんですが」
「ああ? 忘れたのかよ、散々きてきてって煩かったじゃねえか」
「死ね……!」

俺が投げ付けた大きなバッグをあっさりかわして、悪い笑みを浮かべる姿は、警察官にあるまじき悪者だと思う。

「約束したんだ、思い出せないか?」

奈波さんが言うところによれば、変なオヤジに捕まっていた幼い俺を助けた時に、約束していた事があったらしい。
ずっと傍にいるって、かなりこっぱずかしい約束だ。そりゃ、思い出さないはずだって。
そんな約束を律儀に守ろうとするだなんてアホとしか言いようがない。

朝比奈さんや幸太達が遊びに来たらややこしくなるんだろうなぁ、と漠然とした不安は間もなく現実のものとなり、更に俺を悩ませる事となる。


end.

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