「ところで、ノアの方は何か収穫はあったんですか?」

肩を竦めるノアに、カラムは笑みを浮かべた。

「俺、掴んだ情報があるんですが」

そうカラムが言えば、予想道りノアが興味を示す。それを見て、カラムは幾分声のトーンを落として話し始めた。

「あの子を唆した犯人が、おおよそわかりました」

カラムの言葉に、ノアの瞳に強い輝が宿る。口を引き結びながら、カラムの話を聞いていた。

「彼のお兄さんだった可能性があります。両親が亡くなっていて、別々に育てられていたようですね。そのお兄さんの方が、叛乱組織と繋がりがあったみたいですよ」
「どうして俺にそれを?」
「あなたは知りたかったんでしょう? 懐いていたはずの少年が、あんな事をした理由が。まだ確証が取れていないので、ユリエル様には報告していないんですけど……。明後日、ならず者達の集会があるんですが、あの子のお兄さんも参加するかもしれないんです」

黙ったまま先を促すノアに、カラムは集会の時間と場所を告げる。ノアが必ずそこに行くだろうとわかっていて、それを教えた。

カラムが何を思ってそれを伝えるのか、ノアは考えもしていないに違いない。
イヴを唆す誘惑者は、サタンの化身だ。堕ちていくのを、高みから眺めてほくそ笑んでいるのだ。

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