「青峰大輝よ、そなたが泉に落としたのは(表)マイちゃん写真集か?それとも(裏)マイちゃん写真集か?」

「は?なんだよ表とか裏とか……まさか裏って、あの裏かよ?」

「それはわらわの口からは言えぬ」

「口で言えないって、袋とじを超えたエロかよマジか」

「早く答えよ」

「ちょっと位待てよ。オレのマイちゃんの○○で××な姿を見ても良いものか。見えないから良いってとこもあるしよ。くっそー、悩むぜ」

「ではまた明日やってくる。それまでに決めておくのだぞ」

「ちょ、待てよ!」

何故かキムタク風に叫んだところで青峰は目を覚ましていた。




▽ ▽ ▽




「って夢を見たんだよ」

「それ、単なる夢っスよ」

「ちげぇよ。実際に(表)マイちゃんファースト写真集が部屋から消えてたんだからよ」

「桃井さんがネットで売ったのではないですか」

「あー。ファースト写真集はプレミア付くことあるから」

「お前達、真面目に勉強をするのだよ」

中間テスト前に赤点を免れる為に赤司から派遣された緑間ティーチャーにジロリと睨まれた3人はノートに視線を落としていた。


「なぁ黄瀬、テツ、どう思う」

「何がっスか」

「だからよ、お前らなら表と裏、どっちの写真集を選ぶ?」

「え。裏ってあの裏?AVみたく」

「ボクは正直、裏はまだ早いと思います」

「んー。オレもまだその勇気はないっていうか」

「……だよなぁ」

なんと言ってもまだ中学生で童貞。リアルにあんなトコやそんなトコは刺激的過ぎな気がする。


「でもそんな夢を見るなんて青峰君。実はマイちゃんの裏的なトコを見たいという深層心理かもです」

「そりゃあ男なんだからよ、興味はあるだろ。……黄瀬は姉ちゃん達の風呂を覗いたりしねぇのかよ?」

「あり得ないっスよ!身内の裸とか!」

「……本当ですか?」

「なんスか、その疑いの目は」

「オレ、ドリンク取ってくるわ」

放課後の緑間からの補習に疲れ果てた3人は青峰宅に泊まりに行く前にファミレスに寄っていた。


「マイちゃんの裏……か。あの天使のようなマイちゃんの××な○○。いや待てよ、もしかしたら本番的なショットとか、やべぇな」

「青峰っち、ブツブツ言ってて怖いっスよ?」

「なんだよ黄瀬。お前は自分のカルピス飲んでろや」

「そんなん言うの止めて!てかオレのはもっと濃いっスよ!」

「聞いてねぇよ!」

「2人とも恥ずかしいので席に戻ってください」

黒子に諭されてドリンク片手にテーブルに戻ると青峰は溜め息混じりに呟いていた。


「なぁ……オレ、裏のマイちゃんを見てみたい。勿論、表のマイちゃんだって好きだからな?」

「それは知ってるっスよ。前から騒いでるし」

「今夜の夢にその変な女神様が出てきたら、素直に言えば良いのでは?」

「そうだな。なんか悪ぃな、オレだけ先に大人の階段登るみてぇで」

「え。オレと黒子っちには(裏)マイちゃん写真集見せてくれないんスか?」

「青峰君ズルいです。こんなに親身に相談に乗ったのに」

「当たり前だろうが。マイちゃんはオレだけのおっぱい天使なんだからな」

「天使は(裏)写真集なんか出さないっスよ」

「むしろ悪魔ですよね」

「天使でも小悪魔でも、オレは全てのマイちゃんを愛せるんだよ」

「なんスか、そのポエミィな台詞言った時みたいなドヤ顔は」

「単なるスケベ心じゃないですか」

とにかくオレは今夜、(裏)マイちゃん写真集をゲットする、そう高らかに宣言した青峰。勉強疲れから早々に就寝して目覚めたのは早朝だった。正確には起こされたのだ。


「ちょっと大ちゃん、起きてよ!」

「オレ、(裏)マイちゃんを……。って、おいこらさつき。今、写真集貰えるとこだったのに、」

「は?(裏)って何よ。マイちゃんファースト写真集をネットで売ろうとしたら、大ちゃんのポエミィな落書きのせいで売れなかったじゃない」

「てめぇ、勝手にマイちゃんの写真集売るな!てかお前かよ、部屋からパクったのは!」

「写真集なんていっぱい持ってるんだから1冊位いいでしょ。あ、テツ君、おはよ(はぁと)」

「桃井さん、おはようございます」

「むにゃ……桃っち、おはよっス」

「あ、きーちゃん、いたの?」

「いるっスよ!……あ、青峰っち。結局、(表)マイちゃん写真集を選んだんスか?結構純情なんスね」

「ちげぇよ。さつきのバカのせいで、」

「ねえ、さっきから何の話してるの?どうせ下ネタでしょ」

「「「いや、別に」」」

固まる3人を怪しんだ桃井にネタバレすると赤司にチクられて、しかも揃って赤点を取り、テスト明けの部活で練習3倍にされました。



(裏)黄瀬涼太写真集を誰か私にください。
20140427

[ prev / next ]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -