ベランダで「おっぱーい!」叫んだ後に再び室内に戻ると青峰の携帯に桃井からメールが届いていた。


「さつきは友達2人と一緒らしい」

「向こうは3人ですか。ボク達と同じですね」

同じ3人でも男子と女子でなんか色々と印象が変わる。
女の子3人でデ○ズニーランドは可愛いが、男子が3人でだったら少し痛いように。


「うちに来てくれたら合コン出来るっスね」

「バスケ部のマネージャーは皆、可愛いですし期待出来ますね」

「なんでさつきと合コンしなきゃなんねぇんだよ!ふざけんな!」

「もう青峰っちー、素直になった方がいいっスよ」

「そうですよ。ボクと黄瀬君もマネージャーとトゥンクな展開になるかもですし」

「部活内では恋愛禁止だけど、なんか禁断ぽくてドキドキしちゃうっス!」

「お前ら、俺をダシに合コンしたいだけだろうが」

下心満載な2人を睨み付けてから青峰はゴロリと寝転ぶ。


「はい、したいです」

「オレもー」

1軍以外のマネージャーは実際には余り知らないので、色々と期待が膨らんでいた。


「……さつきよりもおっぱいデカいマネージャーはいねぇぞ?」

「いやいや、オレ別に胸は気にしないんで」

「ボクもです。大体、桃井さん基準だと他の女の子が可哀想ですよ。そんな訳で青峰君、メールして下さい」

「こっちも3人でイケメン揃い、お菓子もドリンクもバッチリだって言って欲しいっス」

「やだって言ってんだろうが」

「頑固ですね」

「幼なじみと合コンなんて無理だっつうの」

「じゃ、じゃあ!ミカン早食い競争やって青峰っちに勝ったら、合コンお誘いメールしてくれるっスか?」

「はぁ?馬鹿馬鹿しい」

「もしかして青峰君、負けるのがイヤなんですか?」

「なっ!俺が負ける訳ねぇだろうが!」

「決まりっスね。オレか黒子っちが勝ったら、」

「わかったよ。やろうぜ」

2対1で青峰には不利な状況なのに負けず嫌いな性格のせいか、そんなことも頭に浮かばない様子。
早速、こたつの上にミカンを各自3個並べる。
これを1番早く食べ終わった者の勝ちだ。


「よーいドン!」

各自素早く皮を剥いてミカンを口いっぱいに頬張る様子は、とても女子に見せられる顔ではなかった。


「……ギブです」

ミカン1個食べて黒子は早々とギブアップしている。


「ちょ、黒子っち早っ」

「黄瀬君、ファイトです」

「痛い痛いっ!汁が目に入ったっス!」

青峰vs黄瀬。
ミカン2個目を食べ終わったのは同時で、あとは1個を残すだけ。
すると2人は同じ最終手段に出た。


「え。あの、ミカンまるごとはちょっと、」

「負けないっスよ!むぐっ」

「俺は負けねぇ!」

あーあ、まるごと食べちゃったよ、この人達……本当にアホですね。
黒子が呆れた顔でくだらない対戦を静観していると、青峰と黄瀬はほぼ同時にミカンを飲みこんだようだった。
果たして勝負の結果は?
2人からじっと見つめられて困っていれば、ガホッ!ゴホッ!と互いに咳き込んでいる。
そして慌てて立ち上がると洗面所へ走って行った。


「あーもう、死ぬかと思ったっス」

「ミカンが喉に詰まってヤバかったわー」

「君達は本当にアホですね」

1時間後、グツグツと年越し蕎麦を茹でながら黒子は2人を振り返る。


「お蕎麦食べれそうですか?」

「あ、大丈夫っス」

「さっき吐いたから逆に腹減ったわ」

「味付けは黄瀬君がして下さい」

「はいっス」

ミカン早食い競争でゲロった中学生男子は若さ故か復活が早い。


「青峰君、テレビの時報見てて下さい」

「2人は薬味入れるっスか?」

「ボクは入れます」

「俺も。おい、あと10秒だぞ。急げ」

「うわわっ、ギリギリっス」

「お箸、ありますね」

ゴーン!とテレビ画面で除夜の鐘が鳴らされた瞬間に3人はこたつに座っていた。


「「「ハッピーニューイヤー!」」」

一応皆揃って言ってからお蕎麦をすすり出す。


「テツ、七味くれ」

「はい」

「黄瀬には俺がサービスでかけてやる」

「いや、オレ自分で、ひぃっ!止めて青峰っち!」

「ほらよ。早く食えや、黄瀬」

「辛い辛いっ!」

「今年もこんな感じなんですね」

そんな訳で男子3人だけでも充分に盛り上がった年越し。
赤司と緑間と紫原から届いた新年メールの内容は全員が「黄瀬(ちん)タイキック」で、食後に青峰からタイキックを食らった黄瀬君でした。



管理人も小学生の頃、大晦日に兄ちゃんと従兄弟とミカン早食い競争やって同じ目に遇いました。
良い子のみんなは絶対に真似しないでね!

20131231

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