部活終了後に雨が止むのを待ち体育館で雑談していると、近くで落雷したのか一瞬眩い閃光に包まれてキセキ達は目を閉じていた。
恐々と瞳を開くと全員が直ぐに異変に気付く。
何しろ自分が目の前や隣に座っていたのだから。


「え、え、なんスか!これ。てか眼鏡邪魔だし」

「おい、買ったばかりの眼鏡を外すな…俺?」

「なんか目線が低いー。床が近くで気持ち悪いし」

「…俺、こんなにガングロだったか?」

「ボクって客観的に見て小さいんですね。ラブリーですけど」

体格の違和感や己の姿を周りに見ると言う異様な事態に戸惑っていると、紫原がスッと立ち上がり口を開いた。


「ふぅん…。肉体的に高い位置から見下ろすのは気分が良いものだね。皆、頭が低いよ」

「赤司は紫原と入れ替わったのかよ。威圧感がハンパねぇぞ」

何か目付きまで変わったなと思っていれば、飲み物を買い終えた桃井が戻って来た。


「凄い雷だったね、みんな大丈夫だった?」

「さっちん、お帰りー。大丈夫だけど大丈夫じゃないかも〜」

「え、なんかテツ君が眠そうな顔になってる」

「お、愛の力ってやつっスか。流石は桃っち!」

「やだ、ミドリンがチャラっぽくなってる!キモ!」

「ヒドッ!」

「俺に入っているのは黄瀬か。最悪なのだよ」

「うわ、俺の顔でその変な口調止めろや」

「なんなの、一体!?」

お互いが落雷の影響で中身が入れ替わったらしいと説明されて、桃井は疑惑の目を向けるが微妙に表情や口調が変化しているので、納得せざるを得ない。


「じゃあ確認したいから、一人ずつ自分っぽい事を言ってみてよ。はじっこから順番にね」

「人事を尽くし「あー、はいはい大ちゃんの中身はミドリンだね」

「まだ全部言っていないのだよ!」

「はい、お汁粉あげる。じゃあ次は、むっくん」

「…僕に逆らう「はい、中身は赤司君だね。ほうじ茶どうぞ。次は…きーちゃん」

「おっぱいには夢いっぱい。あー、ち○こかゆい」

「ちょ、オレの息子っち触んないで!そんな言葉言わないでー!」

「お、結構でけーな」

「パンツの中身を見ないで欲しいっス!」

「うわー見た目きーちゃんで中身が大ちゃんって、マジ最悪」

「うるせーな。せっかく黄瀬になったんなら、これから帝光中のおっぱいデカい女とヤりまくるしかねぇな。脱☆童貞してやるぜ」

「止めて!青峰っち!すげーやらしい顔になってるっス」

「お前は元からスケベ面だろうが」

「うわーん!」

「俺を涙目にするな、馬鹿が」

「はいはい。次は…テツ君?」

「さっちん、捻りつぶすよ?」

「いゃあああぁーっ!私の可愛いテツ君がそんな暴言止めてぇーっ!」

くりくりとしたベイビーブルーの瞳は眠そうで、ふっくらした唇からはラブリーな顔に似合わぬ言葉。


「あれれ〜やっぱ黒ちんの声だと変だね」

「えと…。次は赤司君」

「ボクに逆らう奴は黄瀬君から殺しちゃいます。キセコロ」

「「「「キセコロ!」」」」

「ちょ、みんな声を合わせないで!目がマジ過ぎて怖いっス!」

キセコロ、キセコロ!と楽し気に叫ぶ他メンバーに怯えるミドリン(黄瀬)を宥めてミネラルウォーターを渡した。


「これ、元に戻るのかなぁ?」

「さぁな。取り敢えずヤりたいことヤれば戻るんじゃね?」

「青峰っち、何するつもり?」

「ジャージからち○こ出したまま教室に入るとか。あ、キス一回三千円で小遣い稼ぎするわ」

「ただの変態っスよ!てかキスの値段が微妙!」

「真太郎、じゃなくて中身は涼太か。まぁ落ち着け」

今日は入れ替わったままでそれぞれの自宅に戻るしかないと言われて緑間(黄瀬)は青ざめた。


「いやっスよ!絶対に青峰っち、オレの身体にイタズラするつもりだもん」

「まぁ、帰ったら何回かヌクわな」

「だから止めて!」

ぎゃんぎゃん騒ぐ緑間(黄瀬)をスルーして腹が減ったから、まずは飯を食いに行こうかと着替えに向かった。


黄瀬君の中身が青峰っちってのが一番面白いと思います。
中身入れ替わったままの黄瀬(青峰)が「なんか最近の黄瀬君て素っ気ないけど、ちょっとワイルドでカッコいいかも」「意味もなく露出するのもドキドキしちゃうよね」と更に人気者みたいな。


20130201

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