《Love Songs》
#06_キャンディ:6



 我慢できないのは、僕のほうで。

 はちきれそうな僕自身が、早く早く、と急かすんだ。


「言って。ちゃんと、僕を求めて」


 でもね、僕は彼女が望むことをしたいから。

 逸る気持ちを抑えて、そっと指を忍ばせていく。


「あっ、あ……、ぁんんんっ」


 弓なりに身体を反らして、快感に耐えるように、唇を噛み締める。

 可愛い。

 ホント、可愛い。

 僕だけのもの、だったのに。

 僕だけを感じて、生きていくはずだったのに。


「言えないの?」


 中で指を蠢かせると、浅く早い呼吸が部屋を満たしていく。


「やぁ…っ、早…、ちょ、だ…い…!」


 しっとりと汗ばむ肌は、甘くて、クラクラする。


「ん。あげる」


 唇を塞いで、舌を挿し込み。

 彼女の中に、僕を挿し込む。


「――――ッッ!!」

「ク…っ、はッ…!」


 あぁ…。

 何て幸福なんだろう。

 僕らがひとつになっている。

 このまま溶けて、地球に還ってしまいたいくらい。


「…あったかい」


 唇を触れたままに呟けば、好き、と、小さく微笑む。

 そんなことしちゃダメだよ。

 止まらなくなる。

 欲しくて欲しくて、歯止めが利かなくなるじゃないか。




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