《Love Songs》
#06_キャンディ:5



 声を上げる代わりに、彼女の舌が僕の指に絡み付く。


「ふ…っ、ぅんん」


 噛んでもいいよ、と言えば、首を横に振り、弾みでこめかみに涙の粒が落ちていく。

 それは、僕の甘露になる。

 余さず口に含んで、舌の上で転がし、それを、彼女の真ん中で泣き濡れた場所に、口移しで返してやった。

 舌を挿し込み、ぬめる入口を嬲る。


「あぁぁっ!! ――ん、ッやぁぁ!」


 猫がミルクを舐めるように、僕は彼女の甘い蜜を堪能する。

 ただ、猫と僕が違うのは、同時に、手が身体を愛することができる、という特典があることだ。


「だめ…っ、そこ、あぁぁ!」

「気持ちいいんでしょ」


 知ってる。

 この小さな果実は、僕と彼女の禁断の実なんだ。

 口から指を押し出してまで、喘ぎ鳴くんだから。


「イ…っ、も、んぁぁっ!」

「ほら、声、我慢して」


 彼女の真ん中が、朝露を浴びたように、しとどに濡れて。

 揺れる、腰。

 震える、膝。

 潤む、瞳。

 上気する、頬。

 ぴちゃぴちゃと湿ったいやらしい音が、僕を奮い勃たせる。


「…欲しいときは、どうするんだっけ」


 なすりつけるように濡れた溝に指を往復させて、答えを求めていながら、キスを浴びせて声を封じ込める。


「んぁっ…、も、…っ、がま…で、きな…!」




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