《Love Songs》
#06_キャンディ:2



「…冷えちゃったね」


 僕の頬に両手を宛てて、泣き出しそうな顔をする。

 儚く消えてしまいそうで、僕はいつも、これが夢なんじゃないか、って、怖くなるんだ。


「暖めてくれる?」


 額にキスをして、少しずつ位置をずらしていく。

 ちゃんと僕の腕の中にいるんだ、ってことを、確認するように。


「…ん」

「でも、声は少し、我慢しててね?」


 パジャマの裾から手を差し込み、滑らかな肌を堪能するように、ゆっくりと動かす。


「あ…っ」

「こら」


 ダメだよ、声をあげちゃ。

 ホントはたくさん、可愛い声を聞きたいけれど、そんなことしたら他の家族にバレちゃうからね。

 だから、唇は離さない。

 塞いだまま舌を絡めて、色っぽい吐息を飲み込んで。

 パジャマのボタンを外しながら衿を開いて、柔らかな丘に手をかけた。


「んん…、っふ」


 苦しい?

 僕も苦しいよ。

 こんな風にしか逢えなくて。


「可愛い」


 耳に直接語りかけると、白い肌が朱に染まる。


「やっ…、んぁ」

「しーっ。聞こえちゃうよ?」


 唇が離れるのは名残惜しいけど、唇以外も味わいたい。

 静かに、と、差し出した人差し指を、そのまま口腔に忍ばせた。

 ちゅぷ、って。


「やらしい顔」








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