《蛍の群れ》
#03_いろんなこと:13



 茂みの中と胸を同時に弄ばれながら、耳元では望月さんの甘い声に翻弄されて。

 朦朧とした意識の中で、あたしは望月さんに魔法をかけられる。


「あぁッ、ん、…気持、ちい、…っ」

「…――可愛いね」

「え!? 何、あ、ッん――!」


 グチュ、と、一際卑猥な音がして。


「指、入れてみるよ」


 痛みよりも、圧迫感のほうが強くて、あたしの呼吸が一瞬止まった。

 望月さんの指が、あたしの内側に、少しずつ少しずつ、忍び込んでいる。


「…ッ、ん、んん、」

「うわ、狭い、な…。力、抜ける?」

「む、っり、」


 発するのは、言葉というより音でしかなくて、それでも望月さんは、あたしの言いたいことを判ってくれて。


「ん。じゃあ、力抜かせてあげる」


 そう言った唇が、あたしの口に、舌を挿し込んだ。


 男の人の前で、裸になって。

 変な声、出して。

 気持ちいい、なんて、口にして。

 その口に舌を挿し込まれて、キスをして。

 それでもまだねだるように、あたしの手は、望月さんの首に廻る。

 少しだけ茂みの奥に、指を挿し込まれていることも忘れて、あたしは望月さんにキスをねだる。

 恥ずかしい、なんて思ってたことすら、忘れて。


 どうかしちゃったんだ。

 だって、身体おかしいもん。

 ビリビリと痺れたりトロトロに溶けそうになったり、望月さんが触る場所で、慌ただしく神経のスイッチが切り替わる。

 あたしの意思じゃないんだもん。

 望月さんに、コントロールされてる。


「…そのまま、楽にしてて」


 耳たぶの淵を舌先でなぞられながら、甘い声をたっぷり注ぎ込まれて。

 瞳の奥まで覗かれ、思わず、好き、と小さく呟いた瞬間、


「あ――、ッあぁぁぁぁ!!」


 身体が大きく、のけ反った。




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