《蛍の群れ》
#03_いろんなこと:12



 たいして大きくもない胸が、望月さんの手の平に収まる。

 収まっただけでなく、やわやわと指先が踊り、先端を唇に挟まれて。

 ドキドキしてる余裕なんて、ない。

 ただただ恥ずかしくて、あたしは望月さんとシーツの狭間で身をよじるので精一杯。

 ときどき、望月さんの塊がお腹や太腿に当たって、それがさらに、羞恥心を煽る。


「怖くないでしょ?」


 優しい手が、頬を撫でる。

 手の平の温度に、急に安堵を覚えて、涙が出そうになる。


「怖く、ないけど、恥ず、か…し、」

「まーだそんなこと言う余裕あるの?」

「余裕なん、…ッやぁぁ!」


 閉じていた脚を割られて、その間に望月さんの両膝が割り込んだ。

 膝をじりじりと広げるから、あたしの脚はどんどん開いていく。


「…ダ、メ、」

「ダメじゃないよ。…ほら」

「あ、あ、あ、…っ!」


 内股を辿った指が、脚の付け根をくすぐり、意思を持って茂みに迷い込む。

 あたしだってよく見たことのない場所を、望月さんが触っている。

 きっと、見て、いる。


「や、そん…、な、んぁっ!!」


 微弱電流が脊髄を通り抜け、背中が大きくしなる。

 望月さんの指が動くと、そこにぬるりとした感触を覚えた。


「大丈夫。未来ちゃんの心は恥ずかしくても、身体は気持ちいい、って言ってるよ」

「っ、ん、へ、んな、感、じ」


 ぬるりとしたものを撫で付けるように、小刻みに指が震えている。

 次第に、くちゅ、と、小さな水音が聞こえ始めた。


「や、あ! 望づ…、あぁぁ、んんっ!」

「変なんじゃなくて、気持ちいい、んだよ。口に出して言ってごらん?」

「そ、っんぅ、言え、な…!」

「言って。聞かせて?」


 蠢く指が、あたしを追い詰める。




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