《蛍の群れ》
#03_いろんなこと:11



「俺のほうが恥ずかしいんだ、って、言わなかったっけ?」

「そうだけど…」

「触ってみて? コレが、未来ちゃんの中に入るんだから」


 あたしの手を握ったまま、逆の手でベルトを外し、デニムを腰から下ろす。

 黒いトランクスの中、大きな塊があるのが見ただけで判る。

 これが、あたしの中に――?


「噛み付いたりしないから大丈夫」


 おへそから、トランクスの上に手を引かれる。

 布地越しでも感じ取れるくらい、それは熱くなっていた。


「…どう?」

「熱、くて、…おっきい」


 そろり、と、指先を動かしてみると、望月さんが、う、と、唸って眉を潜めた。


「ごめんなさ…、痛かった?」

「や、痛くないけど、ヤバい」

「…へ?」

「思いの外、感動的に気持ちいい」

「気持ちいい、の…?」


 指の下で、それが微かに、ピクン、と動いた。


「わ、」

「早く未来ちゃんの中に入りたい、ってムズムズしてんだよ」


 あたしの手の上から、望月さんがそれを握り締める。


「こんな、おっきいの…?」

「はは…、怖くなっちゃったかな」


 熱い塊は、ビクビクと手の平の中でどんどん硬くなって。

 こういうときに男の人のそれがそうなるんだ、っていうメカニズムは知っているけど、実際に見て、触ってみると、あたしが想像していたものとは遥かに違う。


「怖くないように、いっぱい気持ちよくしてあげる」


 手をそこに押し付けたまま、望月さんの深いキスが、あたしをベッドに押し倒した。

 まるで魔術師のような望月さんの手と唇が、あたしの肌の上を滑る。

 いつの間にどうされたのか判らないけれど、気が付けばあたしはもう、みごとに何も纏っていなかった。


「あ、っ、…ん!」




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