学校から帰ってくるとマイが椅子に座って手元の何かをじっと見ていた。

「マイ、どうしたの?」
『あ、雪ちゃん。おかえり』

ただいまと返し、改めてもう一度聞いてみる。

『お手紙見てたの』
「手紙?」
『うん。学校の下駄箱に入ってたの』

誰からなのかな、と悩んでいるマイ。もしかしてこれはもしかしたりするかもしれない。

「マイ、危険なものが入っているかもしれないから僕が開けてもいいかな?」
『え、あ、うん。いいよ』

有無を言わさぬオーラを出して言ってしまったためか、マイは恐る恐る手紙を差し出してきた。手紙を受け取り、開封して手紙に目を通す。やっぱりか。予想通り手紙はラブレターだ。いまどきの子どもは大人びているというかなんというか。

『雪ちゃん、なんて書いてあるの?』

マイがこちらを見上げて興味津津に聞いてくる。

「テストだったよ。たぶん、点数が悪くて家に持って帰りたくなかったのかもね」
『テストだったんだー。何点なの?見たい、見たい!』
「プライバシーに関わるのでダメです」

マイに見せるなんてことはしたくない。僕が処分します、と言いながらラブレターを修復不可能なところまでビリビリと破いた。マイはどこか納得いかなそうな顔をしていたけれど、マイに悪い虫がつくよりはいい。あぁ、これからはもっと目を光らせておかないといけないな。


いてみた!


「兄さん、マイがラブレターをもらってきたよ」
「はぁっ!?マジかよ」
「うん。今回はマイが読む前に僕が破り捨てておいたよ」
「怖っ!お前、そこまでやるかよ!?」


2013.2.11