「マイ、じゃあ。2×8は?」
『16』
「正解」
『やった!雪ちゃん、次!』
「はいはい。じゃあ、2×9」
『じゅうh「食べたい!」燐ちゃん、そうなの?』
「兄さん!マイが間違って覚えるから邪魔しないでくれ」

これが自分の双子の兄かと思うとため息しかでてこない。兄さんが邪魔したおかげでマイが「にくたべたい!」と覚え直すかのように何回も繰り返してしまっている。それを隣でその調子だとわけのわからない応援をしている兄。まさか兄さん、2×9がわからないとか言うんじゃないよね?兄さんならあり得る気がして恐ろしい。

「マイ、食べたいじゃないよ。18で合ってるよ」
『そうなの?でも、燐ちゃんはたべたいで合ってるって…』
「どうしてくれるの兄さん」
「いや、まさか本気でそう思われると思ってなくて」

ははは、と乾いた笑いをする兄を横目に、僕はマイにどうやって間違いを説明しようか悩むのであった。


違ってみた!



「2×9?」
『たべたいじゃなくて18!』
「最初の“たべたい”はいらないよ、マイ」


2013.2.8