今日はマイと一緒にメフィストのところに来ていた。しかし、途中から仕事の話になってしまい、マイはふかふかのソファーに座って寝てしまっている。

「藤本」
「なんだ、メフィスト」
「ちょっと興味があることがありましてね。ちょっと耳を貸してください」

気持ち悪いくらいの笑みを浮かべながら手招きするメフィスト。またいつものくだらない話かと思って近づいたのがそもそもの間違いだったのかもしれない。


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「さすが!わたしの目に狂いはなかったようですね」

ぱちぱちと手を叩きながら、満足気にこちらを見てくるメフィスト。その隣で俺はとても複雑な表情をしていた。原因はソファーで寝ているマイ。

「やはり、マイはこのまま可愛らしく成長するのですね」

ソファーに座って寝ているのは確かにマイだ。マイであるのだが、

「是非とも我が学園の制服を着てほしいものです。いや、着させましょう!」

16歳になったマイなのだ。俺も少し気になったからメフィストの話に乗ったわけだが…どうすりゃいい?可愛すぎだろ。なんかいろいろ心配になってきたぜ。

「聞いてますか、藤本」
「あぁ、聞いてる。悔しいが俺もお前と同じ意見だ」

しばらくメフィストとマイの将来についてあれこれと話していると、マイがもぞもぞと動いて起き上がった。

『パパ、メフィストさん、お話し終わったの?』

目をこすりながらこちらを見上げてくるいつもとは違う姿にドキッとした。隣のメフィストは頭を抱えて何かを叫びながら悶えているが気にしないことにしよう。

「あぁ。終ったぞ」
『もう帰るの?』
「そうだな。そろそろ..」

帰るか。そう続けようとしたときに、重大なことに気がついた。勢いよくうしろで未だに悶えているメフィストに詰め寄って頭を叩く。痛いですよとか言ってるけどとりあえずシカトだ。

「おい、メフィスト!」
「なんですか」
「マイを元に戻せ」
「すぐには無理ですよ。あと半日はこのままです」

あれ。最初に言ってませんでしたか?、と可愛くもないのに頭をこてんと傾けるメフィストをこれほど殴りたいと思ったことはなかった。


きくなってみた!


「マイが家に帰れねぇだろ!」
「マイだけここに置いて行ってもかまいませんよ?」
「お前、それが狙いか」


2013.3.18