夕方。祓魔師の仕事を終わらせて帰ってくると家の中は静かだった。それに、いつものマイのお出迎えがない。少し寂しく思いながら夕陽が射し込む廊下を進む。具合でも悪いのかと部屋に向かおうとすれば、ふとリビングが目に入った。気になったのでひょいと覗けば、ソファーで仲良く並んで寝ている燐と雪男とマイの姿。もちろんマイがふたりの間に座っている。

「気持ち良さそうに寝やがって」

口ではそう言うものの、口元がつい綻ぶ。雪男の手元を見れば本があって、たぶんマイに読んでやってたんだろう。そこに燐が途中から加わったってところだな。最初、マイを連れてきたときはどうなることかと心配だったが、要らぬ心配だったらしい。今じゃどこからどうみても本当の兄弟だ。最近は燐と雪男のマイに対する過保護っぷりが気になるが、仲が悪いよりは全然いいか。ソファーの後ろにまわって、3人の頭をそれぞれ撫でる。

「これからも仲良くしろよ」

起きているかは分からないが一応言ってみる。それからしばらく寝顔を観察したあと、風邪をひかないようにとタオルケットを持ってくるかとリビングを後にした。


してみた!


(これから先、俺の自慢の子供たちがずっと仲良く幸せでいられますように)


2013.3.11