「マイ、おいで」
部屋で本を読んでいたら雪ちゃんに呼ばれた。本を元の場所に戻してどうしたの?と雪ちゃんのところに行く。
「あのね、僕たちの部屋まで来てくれる?」
「?うん、いいよ」
わたしの手をひいて歩く雪ちゃんについて行く。珍しく会話がないものだから何かしてしまっただろうかと心配になる。もしかして雪ちゃんの眼鏡のスペアで遊んだことがばれてしまったのか。それとも、この前のテストであまりよろしくない点数を取ってしまったことだろうか。大変だ。心当たりがありすぎる。最初に謝ったほうがいいか?そんなことを考えながら雪ちゃんと燐ちゃんの部屋に入る。部屋に入ってすぐにあるものが目に入る。
『か、かわいい!』
「そう言ってもらえると嬉しいな」
ハンガーにわたし好みのワンピースが掛けられていて、その下にはこれまた可愛らしいテディベアが置いてあった。わたしの感想に、嬉しそうにする雪ちゃん。こ、こ、こ、これは一体?といった眼差しで雪ちゃんを見る。
「さぁ、マイ。今日は何の日?」
『今日?3月3日だから...』
ひな祭りだ!
「一年に一度の女の子のお祭りだから、マイもおしゃれしてお祝いしよう?」
ちなみに僕がマイを担当して、兄さんが料理担当だよと教えてくれた。優しいお兄ちゃんたちがいてくれてわたしは本当に幸せ者だなと思った3月3日なのであった。
お祝いしてみた!
「どんな髪型にする?」
『雪ちゃんが好きなのがいい!』
「そう言われると困るな」
2013.3.7
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