あっちこっち。 | ナノ


 
 
 

──イタリア



日はすっかり沈み夜になってきた。




「それじゃ、頼んだよ」


「任せろって!その日本の腐ったサッカー直してくるな!!」


「意気込むのはいいけど、あまり目立たないようにね」


「師匠は心配性だなー大丈夫だって!じゃ、行ってくる!!」




おれ望月渉はここイタリアから遠く離れた海の向こうにある日本に飛たとうとしている。



なんか日本のサッカーが腐ってるらしくて、その改革をやるのにある人物が俺を呼び寄せている、らしい!


なんだっけな…
日比谷だかビビアンだか忘れたけどそんな名前の人!





「あ、そういや…日本でマモルと会っても俺との関係は秘密にな」


「はいはい」


「ったく心配だなぁ…」




師匠の溜め息が聞こえるけど敢えてスルーで。



正体を隠すとなるとオーディンソードも打てなくなるんだよなぁ…

ま、必殺技がひとつ使えないからってどうにかなるって訳じゃないしな。



さーて……
海外のレベルの違いってやつを見せ付けに行ってやるか!‐‐‐‐‐‐‐‐‐




日本行きの日本航空、通称JALに乗り込み、ついさっき師匠に渡された雷門中の資料に目を通す。

資料といってもただの入学式の御案内。


「…ん?……はあああぁあ!?なんだよこれ!!!!!」



渡された資料に書いてあった入学式の日付に驚きを隠せなかった。


書かれている日付は…



「……tomorrow?」


あ、やべ、これ英語だ。

と言うか明日!?
明日とか絶対に無理だろ!

だいたい日本とは時差があるわけだし…




「……初日から欠席!?」




うわああん!
これ不憫すぎだろ!?




久しぶりに帰る日本だっていうのに、さっきまでとは真逆に不安と緊張で胃が痛くなってきた…。





イタリアから


(夢で埋め尽くしてやる)