今日は午後から雨だと朝の天気予報でやっていた。
傘を持って出たものの、空は快晴でちょっぴり恥ずかしい気持ちになる。
学校につけば不動くんにちょっかいを出され、鬼道くんの恋愛相談にのり、なんとなくの毎日を過ごしていた。
けれども、なんとなくとは違う、越える出来事に遭遇してしまった。
「沢渡唯子さん、よね?」
「は、はい!」
声をかけてきたのは、学園のアイドル、白石優実ちゃん。
短いスカートにニーハイソックスで絶対領域と言う最強の組み合わせ。
それだけで男性は欲がわく、
俺以外だけどなとか何とか不動くんは言ってた。
「沢渡さんって不動くんと仲良いのよね?」
何を言われるかと思えば相変わらずの可愛らしい笑顔で不動くんの名を出してきた。
「不動くん?」
「ええ!秘密だけれど私ね、彼のことが好きなのよ」
「えッ…」
胸が張り裂けそうに痛い。
だって…
鬼道くんは沢渡さんの事が好きなのに、当の本人が好きなのは不動くん。
「あの、その……」
「なーに?」
「鬼道くん、なんだけど…」
鬼道くんの名前を出せば、白石さんは「ああ」と何が言いたいのか分かったようで短く笑った。
「鬼道くんって私のこと好きなんでしょ?見てれば分かるしね」
「あ、の…白石さん」
「でもさ、鬼道くんはタイプじゃないのよねぇ…不動くんみたいな強引な方が素敵じゃない!鬼道くんは何考えてるか分かんないし」
先ほどの可愛らしい白石さんとは違う口調で笑っていた。
酷い……こんなの酷すぎる…
彼女がとかじゃなくて、こんな結果は酷すぎる。
それで鬼道くんが何?と彼女が言うと同時に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「あー…鳴っちゃったじゃない。じゃあ今度不動くんの話聞かせてよね」
彼女はそう言うと再度笑って
駆け足で教室の方へと戻っていた。
「なんだろ、これ…」
なんだかモヤモヤする。
何に対してなのかは分からない、けど、今鬼道くんや不動くんとはうまく喋れない気がする。
「沢渡?もう授業始まるぞ?」
佐久間くんが教室に戻るため廊下を通りかかった。
「お前、泣いてるのか!?」
「だいじょ、ぶ…大丈夫だよ」
自分で知らぬうち流れていた涙を拭い、佐久間に笑ってみせた。
「沢渡ッ!?」
嘘がバレないように走った。
大丈夫じゃないよ。
こんなの1人で抱えるのは辛い
でも、誰にも言えない……
「不動、くん…」
晴れていた空は暗く、雲がかかってき、次第には雨が降ってきた。
遠くから雷の音も聞こえる。
誰にも言わずに封印した
(どうしたらこの胸のモヤモヤは消えるの…?)
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やっと物語が進む♪(´∀`*)
ヒロインちゃん視点はここで
終わります!
次回からは不動くん視点のお話になります(酷く似非な不動くんですが←)
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