弱虫と不動くん | ナノ




 
 
 
 
不動くんとサボった日から数日たった今日。


鬼道くんとは相変わらずで
今日こそは謝ろうと思ってます!





鬼道くんは朝練を終えて教室にやってくるから、10分前前後にやってくる。




ここ数日、全くと言っていい程に
会話というものをしてない。




でも、どんなに叶わなくても
せめて友達くらいには戻りたい。



だから、



「あの…き、鬼道くん!」


「ああ、沢渡……すまなかったな…」


「…え?」




私が予想していた返事とは大分違う返事が彼からは返ってきた。




「不動から聞いた。あの日はアレだったんだろ?辛いものだとは聞いていた、無理に付き合わせてすまなかった」


「えっ…え?あの…何のこと……?」



正直訳がわからない。


どうして不動くん?
不動くん何言ったの!?





「何って…俺が沢渡に相談した日、沢渡は生理だったと不動から聞いてだな」

「き、鬼道くん!?せ…生理って…え、あの」



まさかの単語が彼の口から出てきた。それが事実でも事実じゃなくても女の子に向かって言う言葉じゃないよ!!


私は恥ずかしくて顔が熱い。

ふ、不動くんのばかぁ!!





「その話を聞いたのは今朝で、ここ数日は沢渡が何故いなくなったのか考えていた。失礼したら悪かったしな…」


「鬼道くん……ごめんね…」




たった数日、それでも鬼道くんは私のことを考えてくれた…

こんなこと口には出せないけど
凄く嬉しい!

か、顔に出てないか心配。




そんな浮かれモードも次の一言で一瞬に砕かれた。




「ああいう相談出来るのは沢渡だけだから、これからも相談には乗って欲しいんだ。その為にも関係を悪くはしたくない」


「……あ、うん、そう…だよね」


「沢渡?」


「う、ううん!相談なら乗るから大丈夫だよ!」



そうだ、
鬼道くんにとって所詮私は友達の一人に過ぎなくて、鬼道くんは優しいからあの日の出来事で仲違いしたくはなかったんだ。




「私じゃ…無理だね……」


自分でも聞こえないくらい小さな声で呟いた。




「沢渡さっきからどうかしたのか?」


「鬼道くん、」




彼の気持ちには入っていけない
勇気もない、友達じゃなくなるのも怖いもん


だから…
今日で、この気持ちとはバイバイする





「頑張ってね」



自分の出来る最高の笑顔に私は鬼道くんに向けて言った。



「ああ、ありがとうな」



そう言って微笑む彼は私との会話を終わらせ己の席についた。






「頑張って、」言葉の裏に隠した想い




(今日ぐらいは泣いたっていいよね…?)





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