弱虫と不動くん | ナノ




 
 
 
 
あの告白から今日で1ヶ月、

というわけで今日は記念日として
不動くんとデートです。


実のところデートと言うデートは
初めてだったりする…


いつも土日は部活で忙しいみたいだから、学校帰りにどこかに立ち寄ったりするくらいで……



今日はサッカー部珍しくオフ
みたいで本当によかった!





「服とか変かな…不動くんの苦手なタイプとかだったりしないかな!?」



考えれば考えるほど収集がつかなくなってくる。



楽しみだからって、待ち合わせの30分前に来るのはさすがに早すぎたかもしれない…




「不動くんの私服…」



そう思うだけで 頬が緩む。




「にやにやしてんなよ」


「不動くん!だ、だって…」



まだ30分前だと言うのに待ち合わせの場所にやってきてくれた!


ちらっと彼を見れば、私服がよく似合っていて、その…やっぱりカッコいい。




「不動くんの、私服見るの…は、初めてだから!」


「そんな大層なモンでもないだろ私服ぐらい」


「だっていつも制服だもん。見馴れないから眩しいよ!!」


「なんだそりゃ…まぁ、お前に言われるのは悪気はしないな」



そう言って不動くんは頭を撫でてくれた。


あわわ 髪の毛セットしたのに…


でも、気持ちいいな…。






「不動くん、どこ行く?」


「…………なあ」


「ん?」


「その不動くん≠チての変えるつもりねえの?」


「ふぇ?…変えるとなると?」


「お前本当に馬鹿だな…唯子」




不動くんを変えると言うのは
呼び方のこと、なのかな…?


不動くんが駄目なら、……名前だよね…?





「っ……あ、あ…あ!」



ああ 名前呼びだなんて彼氏彼女の関係みたいだよ……!!

や、そうなんだけど…



考えたこともなかったし、なんというか、恥ずかしいよ!!




「あき…あき、お、くん?」


「名前だけで照れすぎだろ。なんだ唯子可愛いじゃん」


「かっ…かわっ!?普段めったに誉めてくれたない
ふど…じゃなくて明王くんの口から…

か、か…可愛いが出るなんて…


私どんだけ初なんだろ…





「んだよ、言っちゃ悪いのかよ」


「ううん!嬉しくて。」



また頬が緩んでしまいそう。




「……言えたご褒美に、ここでキスしてやろうか?」


「………………え!?や、あの! ふど…明王くん!?」



私の弱い否定も効果なく明王くんの顔は徐々に近づいてくる。


えええ、心の準備とか出来てないしこんな人前じゃっ……



止まらない明王くん、私は思いきってぎゅっと目を瞑った。



う、受け止めなきゃ!









「ハハッ、なんだ誘ってんのかよそれ」


「ふぇ…?」


「軽く涙目になってるし」


「き、緊張が最高潮でっ…………あれ、しない…の?」


「して欲しいのか?」


「ち、違っ…」


「はいはいもう意地悪しねーからそんな泣きそうになるな」


「むー…明王くんの流れ…」






「ほら、手くらいならいいだろ」



そう言って右手を差し出してくれる。




「いいの?」


「はぁ、当たり前だろ」


「うん!」









明王くんと話せば話すほど

周りの人とも自然と喋れるように
なっていけた。


何かの魔法みたいにドキドキした



あったかい笑顔がすき、
ちょっと強引なとこもすき、
素直じゃないとこもすき、

つまりはベタ惚れみたいです…








弱虫は卒業、する!




(あーまじ可愛いな)
(あ、明王くんかっこいい!)




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