弱虫と不動くん | ナノ








耐えきるこての出来ない気持ちに

私は佐久間くんに相手のことを匿名で相談している。


この前、白石さんと話した時に感じた妙な違和感について。




「なぁ沢渡、それって好きってことなんじゃないのか?」


「へー……はう!?す、すっ…好き!!!!!?」


「落ち着けー…」


「と…友達だと思ってたつもりなのに……思ってなかったみたい」


「それって不動のことだろ」


「な、なんで分かるの!?」



匿名で相談していたのに、佐久間くんは一発でその人物の名前を当ててしまった。



「いやーいつ好きになるか時間の問題だって源田と話してたくらいだ」



佐久間くんの発言に体温が上がっていくのが分かる。


わた、し…
今どんな顔してるんだろ…

あ、暑い…!!




「わ…私そんなに態度にでてるの?」


「まーな。俺といるときと不動といるときじゃ目付きも態度も違ってるしな」


「………………そうかも」


「間が長い!!…いつから好きなんだよ」


「え、や……わかんない…」



そう答えると佐久間くんはうーんと考えてから、決心がついたのか一度顔を縦に振って再度私を見た。




「告白すんの?」



「や……それは、無理だよ」


「そうか?そんな顔真っ赤にしてるんなら十分に好きなんだろ?」


「ゆ、勇気もないし…」




佐久間くんは知らない。
白石さんが不動くんを好きだってことを。


白石さんの気持ちを知ってるのに告白なんか出来っこないよ……



それを抜きにしたって私じゃ…





「なんで?」


「そ、それは…友達として仲がいいし……告白してフラれたらこわいし…それに私なんて、いいとこないし…」


「そんなんじゃ一生告白できやしないだろ…」


「だっ、て…好きなんだって考えるだけで、い……いっぱいいっぱいで…告白、なんて…!!」


「お前本気で好きなんだなー」


「うん、そう、みたい…」




鬼道くんを好きだと思った時とは違うこの気持ち。


気付いたら目で追ってて、
気付いたら考えてた。





「さ、佐久間くんは好きだったりしない!?」


「いや俺男だし!!!」







好きになったのが自然すぎて
まだ自分でも信じられないけど



本気で人を好きになるってこんな感じなのかな?




そっか…そうなんだ……



これが好き≠ネんだ





(凄く楽しいよ、でも、凄くすごく辛いよ)




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