宮高があつい
「ねえ宮地サン」
「うるせえ轢くぞ」
「ねえ、宮地サンてば」
「なんだよ」
「すきです」
冗談だろと笑って返してやる勇気もなければ、真摯に受け止める勇気も、なかったのだ。だから代わりに思いっきり平手で高尾の頭をぶって、それから髪の毛をひとふさ掬い上げる。
「そうか」
「そうなんスよ」
高尾の顔はひどくゆがんで、今にも泣きだしそうだけれど、それに口を出す権利はオレにはない。好きだ、いつまでも伝えられぬままオレは卒業を迎えた。
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