05



side:真吾


いつだったっけ?カイチョーが言ってた。
「誠は光だ」って。

そのとおりだなぁって、思ったんだよ。



オレは人からチャラ男って呼ばれるような格好してる。
喋り方も緩くて、遊び人って言われてたんだ。

でもオレにはセフレもいなくて、服装も口調も趣味とクセ。
自分でも言うのもアレだけどどっちかって言えば恋にはジュンジョーで奥手で一途。
誤解されるのは哀しかったけど、別に良かった。
生徒会のみんなが分かってくれてたから。諦めてたんだ。




そんな時に誠ちゃんがこの学園に来た。
フクカイチョーをあんなに怒らせるなんて、って面白がってカイチョーが食堂に見に行ったんだ。
別にオレは興味なかったけど、ヒマだし、面白かと思ってついてった。

いたのはとーっても平凡な子。
こんな子がどうしてフクカイチョー怒らせたんだろう?
不思議でしょうがなかった。

けどすぐに疑問は晴れたんだ。

平凡君をバカにするカイチョーに真正面から怒って、だけど会長が名前を言えば満面の笑顔で「よろしく」って言ってのけて。
オレにだって普通に接してくれた。フクカイチョーの嫌いなタイプの子。
でもオレは嬉しかったんだよ。



誠ちゃんはすぐにオレの噂を知っちゃった。
いっぱい怒られて、でも真っ直ぐ俺の目を見つめて言ってくれた。


「もうセフレなんかつくるなよ?お前も相手も可哀想だ!
大丈夫!もうしないっておれは真吾のこと信じてるから!!」


噂は本当じゃないけど、信じてくれるって。
オレのこと信じてくれるって、頑張れって言ってくれた気がした。

だから誠ちゃんといっぱい一緒にいたし、噂は本当じゃないって知ってもらうために努力もした。
誠ちゃんはたしかにオレの光で目標で、愛しい人。




それなのに、目の前にいるコレは誰?


「真吾、真吾っおれ悪くないよな?
いっつもおれの言うこと正しいっていってくれてもんな?
だから真吾だってまともになって、セフレもいなくなった…!」


違う、違うよ誠ちゃん。オレには最初っからセフレなんていなかったよ。
誠ちゃんが信じてくれてたから、頑張って噂消したんだ。

誠ちゃんが信じてくれてたから…

誠ちゃんが……




あれ、この子はいつ、オレのなにを信じてくれてたんだっけ?








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