06



今俺たちは、俺がさっき来たばかりの道を戻ってる。

リュウのところに向かいながら、和がいろいろ説明してくれた。
なんか、理事長室とかリュウが居るらしい生徒会室があるのは特別棟っていうらしい。

やっぱり金持ち校なだけあって違うよなぁ。
高そうな装飾品がいっぱい置いてあるし、煌びやか?ってかんじ。


「うっわー!ほんとこの学校ってすごいな!」


俺の家だって金持ちだから、色々凄いけど、学校で豪華なのってなんか変だよな。
だから声をあげてびっくりしちゃったんだ。

そんな俺に和はずっと優しく頷いてくれてる。
この学校に来て初めてまともなヤツに会った気がする!






「神子君、ここが生徒会室です」


これが生徒会室?!

伯父さんの部屋と同じくらい高そうな扉の部屋だ。
けどそれよりも、リュウに会えると思うと胸が高鳴る。


「失礼しま「たっのもーーー!!!!」…す」


気持ちが先走って、思いっきり扉を開いた。

思いっきりっていっても、少し強く押しただけなのに勢いよく開く。
なんだよ、見掛け倒しだな!


「なんだ、テメェ…」


俺のことに逸早く気づいたのは、やっぱりこの人だった。


「リュウ!会いたかった…!」


あんまり嬉しくて、目が潤んでくる。
リュウも感激してるんだな、満面の笑みだ。


「リュ「和、お前のほうから来てくれるなんて珍しいな」」

「龍之介さん…」


え、なんで?
俺の横を素通りして、和のところに行ってしまった。

違うだろ?俺のところに来てくれないとダメだろ?



どうして俺に一番に来てくれないの。

どうして俺を抱きしめてくれないの。

どうして…そんなに優しく和に笑いかけてるの。



「な、なにしてるのリュウ!!」

「あ?だからテメェ誰なんだよ」

「誰って姫羅だよっ。あの夜会っただろ!」


わかった、久しぶりだから照れてるんだよな。
意外だけど、そんなところもカッコイイな!


「き、ら…だと……?!」

「うん、そうだよ!」


吃驚したように目を見開いて俺を見つめてくるリュウ。
もう、そんなに見られたら照れるじゃんか!

今度こそ、俺のことを抱きしめてくれるよな。




「出て行け」


冷たい言葉に俺の体が凍った気がした。


「殺されたくないなら、今すぐ出て行け」

「ど、どうしたんだよ、リュウ!
俺がせっかく会いに来たのにっ」


こんなの俺の予定になかった。


「会いに来た?よくそんな科白が言えるなぁ。
二度と俺に近づくんじゃねぇ」


あっていいわけがない、こんな事。

俺が好きなのに、蔑ろにされるなんてことあるわけがないんだ。


「和、丁度仕事が終わったとこなんだ。
お茶でもしてかねぇか?」


その優しい笑顔は俺のものでしょう?

和のものじゃない。俺のものなんだ。











(その微笑みは俺のもの)






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