雪と説教


休日、しかもこの大雪の中、学校に行かなくてはならない私は不幸だ。

つい数十分前はそう思っていた。
しかし、職員室から校庭を見た時、そんなことは頭から吹っ飛んだ。

広い校庭を覆う、足跡一つない雪。
これははしゃぐしかあるまい。

コートやマフラーは教室に置いてきてしまった。取りに行くか、しかし私は今外に突撃したい。

「……やむを得まい。行くか」

「名字風邪ひくなよー……」

「暖かくして行くのよ?」

私の言葉に、職員室にいた教師達は苦笑いしていた。
…数分くらいなら平気だろう。

職員室から階段を駆け降り、昇降口から校庭に飛び出す。
とりあえず靴は防水してあるモフモフを履いてきたため、足は暖かい。
だがやはり体は寒い。
速やかに雪だるまを作ってさっさと中に戻ろう。

そう自分の中で決め、雪玉を作り始める。
まだ誰も足跡をつけていない雪を踏みしめながら小さな雪玉を転がしていく。

ひたすら転がして雪玉が私の腰に届く大きさになった頃、誰かが私の名前を呼んだ。
教師が見かねて止めに来たのだろうか。
そう思って顔を上げると、そこには征十郎君と緑間がいた。

「名前、何してるんだお前は」

征十郎君は傍まで来ると勢いよく私の頭を叩いた。容赦がない。

「痛いよ征十郎君」

「防寒もろくにせずに雪遊びをする方が悪い」

「お母さんか」

赤くなった手を擦り合わせながら征十郎君と話していると、緑間が黒いダッフルコートを私の肩に掛けた。

「とりあえず上に何か着ろ」

「はーい……あっこのコートUNIQLOだ」

緑間に言われた通りコートに腕を通す。
いつの間にか私の左右を征十郎君と緑間が固めていた。

「えっ?何何?」

「とりあえずお前は説教だ」

「部室まで来てもらおう。名前の荷物を取りに行くのはその後だ」

「えええ……」





……私 終わった……










まだ続くかも……


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