本音と建前



……いや、まあね。
『気持ちが分かる』なんておこがましいけれども、ある程度なら私だって青峰君の気持ち理解してるよ。
だって中学からの友達ですよ?

…あー、よく考えたら今のあの不真面目な感じは中3の夏くらいからあったかも。


バスケが好きだからこそ、戦う相手が見つからないのが辛いんだとは思うけど………


思うけどね、


思うけどですよ。


先輩方に対してあんな失礼な態度をとったり、乱暴な言葉遣いで話したり、果ては桃井ちゃんのパ、パン……スカートの中を見るなんて、許されないんですよ!
例えどんな理由があろうとも!

それに部活をサボるなんてあり得ない。あーあり得ないわホント。人の胸元見て溜め息ついたかと思えばアイツは……!!!…あ、何でもないですよ。気にしないで下さい。


だから私、お昼休み青峰君に会ってきましたよ。
屋上でグラビア雑誌を読んでるところに強襲をかけました。

そして手始めに軽いジャブの代わりに


「調子に乗るな」


と言いましたよ。
…ええ。そうです。「調子に乗るな」と。
そうですね、これに全ての気持ちが込もってますよ。
私が青峰君に言いたいことはこの一言に尽きます。

そして青峰君が呆気に取られている内にグラビア雑誌をひったくり、雑誌に向けてハサミを構えました。









「さあ、青峰君。部活に行きなさい」

「名前てめっ……」

「さあ!!このセクシーポーズが細切りにされてもいいのかね」

「やり方がきたねえぞ……」

「何とでも。さあ部活に…」

「………それでも行かねえ、と言ったら……?」

「私に逆らう者は青峰君の天使でも切り刻む!!!!」












……


とまあ、そんな感じですね。
こんな具合で今日は青峰君を連れてきました。
随分悩んだみたいですね…青峰君まるで魂抜けたみたい。
まあこれで部活出てくれるなら簡単ですよね!


あ、じゃあ私用事あるんで今日は帰りますね。
お疲れさまでしたー。














…あれ、どうしたんですか今吉先輩、何か用事ですか?
…「同類」?いきなり何ですか、やめてくださいよ先輩。先輩と一緒にしないで下さい。私は先輩よりずっと性格いいですから。

「それは嘘だ」って…?
何なんですか一体。



……え?

『雑誌の切れ端がスカートに付いてる』?





……嫌だなあ、別におかしくないですよね?
『部活に行かないなら』『切り刻む』っては確かに言いましたけど、
『部活に行ったら』『切り刻まない』なんて一言も言ってませんよ、私。

…屁理屈ですか?
まあ何とでも。



それじゃ、さようなら。


……あ、青峰君に伝えて下さい。






「これに懲りたら二度と貧乳って言うな」











よろしくお願いしますね。

















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