死にたがりのシロ

ボクの精子はよく死にたがる。

「はっ…っく、…」

最近、ボクはおかしい。
さっきまで普通にみんなと採掘をしていたのに、帰りがけに、うっすらと首筋を汗に光らせた日向クンの姿見ただけでもうコレだ。朝も起きぬけに1回抜いたのに…もうボクは頭がオカシイんじゃないだろうか。
休憩時間の時も1回抜いたじゃないか、今日はコレで3回目だ。いい加減これじゃあビョーキだろう。
ベッドの上で想像するのは、日向クンのあられもない姿。何度こうして頭の中で彼を凌辱してきただろうか……もう数え切れない。
彼とはただの友達なのに。 彼が聞いたら卒倒しそう
なことばかり言わせるボクの脳内。ちょっとしたことでもズリネタになり下がる、標的の彼が全く不憫でならない。自分のことだけど。むしろあれだけかわいいんだから、きっと他の男のオナネタにもなってるに違いない。そう、思ったら余計感じた。

「っ…、ぁ、っ」

ボクは変態なんだろうか。
いたって健全なつもりでいるけれど。瞼の裏で喘ぐ彼に喉が鳴る。全部妄想だけど、かわいい。
淫らに喘ぐ日向クンが、おかしくなりそうなほどかわいくて仕方ない。
エロい。
もっと汚したい。
ボクの欲望を、この薄汚い精液を、一滴残らず飲み干して欲しい──もしくは顔にかけたい。コレが、現実にできればいいのに。

「…ぁ、い、っ…」

イく。
ギュッと目を閉じると、膨張した先端からどくどくと吐き出される白く濁った体液。 朝も昼も出したくせに濃度も粘度も量も、自分比で凄い。……いかれてる。

「………」

そして、まだ萎えない自身に、やりきれない思いが募る。
恥ずかしさと、情けなさと。
この想いをボクはどうすればいいんだろうか。

「(いれたい、かけたい、泣かせたい…)」

最近ボクの脳味噌はそんなことしか考えていない。 これも、まだ思春期の高校生男子だから、と嘲笑えればいいのに当のボクにはそんな余裕は塵ほどもない。これは自分のことだから。
もう、頭がいかれてるとしか思えない。
こうして1人で虚しく性欲処理するのも悲しい。リア充爆発しろ。

「(…また、勃…)」

そろそろと自身に手をかけて、本日4回目の自慰行為。誰にも言えない浅ましいこんな俺の顔を、彼は知ったらどう思うだろう。
そう考えてまた興奮する。
動かす手の速度が増す。
質量も増す。
ギラギラ光る我慢汁。お前さっき出たじゃん、まだでんの?

「日向クン、………はじめ、はじめくんっ…」

リアルで1度も呼んだことのないその名を呟いて───俺の性欲はまだ収まらない。
きっと彼に、日向クンに、この醜い想いをぶちまけるまで。
ボクの精子はよく死にたがる。
空気に触れたらものの0.1秒であの世行きするくせに、何故躊躇ったりしないのか。 行き先は真っ白なティッシュの中。末路はそのまま焼却処分。墓はなし。何億もの命の種は今日も元気に無駄死にを繰り返す。



死にたがりのシロ。
(別にそんなに死に急ぐこともないだろうに)













top main



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -